相手の趣味をどこまで尊重する?夫婦間、家族間、育児での注意点

皆さん、それぞれいろんな趣味をお持ちだと思います。
パートナーに理解されている、理解されていない。お金がかかる、かからない。時間がかかる、かからない。夫婦や家族の数だけ、それぞれの趣味への向き合い方やかかわり方がありますよね。

家族であれば相手が趣味に使っているお金も時間も、大きな意味では一つの財布(家計)から出ていくものなので、全てを好きにさせてあげるのも難しい。
夫の、妻の、子供の、趣味をどこまで尊重してあげればいいのか、気を付けたいことを考察しました。

「趣味」に文句を言われたら

趣味が楽しくない、という人はいないでしょう。
楽しくないことを趣味にしている人がいたら、よほどの変人です。

そんな趣味に興じようとしているときに、毎回小言を言われたらどうでしょうか。
例えば、地元のサッカーチームの応援に行くときに、毎回妻から「また行くの?」「終わったら寄り道しないで急いで帰ってきなさいよ」とか。
ママ友とカフェに行くときに、「カフェのご飯とか無駄に高いよね」「お昼を外食するんだから夕飯は手を抜かないでよ」とか。

楽しみと苦しみがセットになると

せっかく楽しみにしていることと、小言を言われるというような嫌なことがセットになる
これが続くと、楽しみと苦しみが紐づいていきます。

楽しいからやっている行動(趣味)と嫌な感情がセットになって、趣味を心から楽しむことができなくなってくる。

心理学でいうところの「オペラント条件付け(道具的条件づけ)」が発生します。

オペラント条件付けとは、報酬(得)や罰(損)といったある「結果」が発生することによって、本人が自発的にその結果を発生させる「行動」を取る(あるいは避ける)ようになる「学習」のことです。

うまく利用すれば、習慣化したい行動になにかのご褒美を設定して、その行動を習慣化する。
例:20分ランニングをしたら好きなお菓子を食べていい→だから、ランニングする
逆に、やめたい行動に罰を設定して、その行動をやめる。
例:夜更かししたら翌日のおやつ抜き→だから、早く寝る
というような心理テクニックとして使えます。

これを「趣味を行う時に文句を言われる」に当てはめると、本来自分にとって楽しいはずの趣味とマイナスの感情が紐づくことになります。

うつ病の診断チェックリストで、有名なものに「今まで楽しかったことが楽しめなくなった」というのがあります。
これと同じ状況が、自分や相手に発生することになるのです。

それで直ちにうつ病になる。ということはないでしょうが、メンタルヘルスにとって良い状況でないことは確かですよね。

心から楽しめるように

趣味に時間やお金を投じる、ということは、その分家計からお金が減る、育児・家事の時間が減る(=パートナーに負担が寄る)ということです。
なるべく抑えてほしい、最低限で済まして帰ってきてほしい、という気持ちはわかります。

ですが、夫婦で、家族で、話し合った条件の範囲内であれば、あとはこころよく楽しませてあげるべきです。

こっちはお金や時間を使わせてあげている立場だ、という意識で、趣味を楽しもうとしているパートナーや子供に小言を言っては、せっかくの楽しみが台無しです。

一度、OKを出したなら、本人が心から楽しめるようこころよく送り出してあげましょう。

環境の変化によって、かけるお金や時間を変えなくてはいけない状況になるかもしれません。
そんな時は、後出しジャンケン的に小言を言うのではなく、あらためて話し合う場をつくることが必要ではないでしょうか。