「このままの区分、次の更新でも大丈夫かな…」
退院や通院が落ち着いたころにふっと湧くのが、“制度”の不安。
2025年に厚生労働省が療育手帳の全国統一化へ本格的に動き、2026年度からモデル試行が始まります。今のうちに“等級・更新・引っ越し”への不安を、事実ベースで整理しておきましょう。
退院や通院が落ち着いたころにふっと湧くのが、“制度”の不安。
2025年に厚生労働省が療育手帳の全国統一化へ本格的に動き、2026年度からモデル試行が始まります。今のうちに“等級・更新・引っ越し”への不安を、事実ベースで整理しておきましょう。
目次
要点(30秒でわかる)
- なにが起きる?
厚労省が判定基準・名称の全国統一に向けて検討会を設置。2026年度は一部自治体で試行、段階的導入を検討。 - ねらい
地域で異なる区分・更新・名称のばらつきを縮小し、転居による不利益をなくす。 - どう判定する?
新ツールABIT‑CV(知的機能+適応行動)などを活用し、ICD‑11基準と整合的に評価する方向。 - いつから?
目安:2026年度=モデル試行 → 検証後に全国展開の可否を判断(2027–2028年度に方向性)。※実施時期は前後の可能性あり。
今日すぐに手帳が変わるわけではありません。けれど、“備え”を始めると、次の更新や転居の不安が小さくなります。
1.療育手帳の「いま」を3行で
- 療育手帳は知的障害があると判定された児童・成人に交付され、相談・支援・税優遇・割引など多くの制度の入口です。
- ただし根拠は通知ベースで法定化されていないため、名称・区分・更新に地域差が大きいのが実情。
- 区分は自治体により2〜7段階まで幅があり、転居で判定が変わるケースも。
「同じ子なのに、引っ越したら区分が変わる」—この不安を減らすのが、今回の統一化の狙いです。
2.統一化で“何が”変わる?(予定・方向性)
(1)判定の考え方が全国で共通に
ABIT‑CVなどの判定ツールを使い、知的機能+適応行動を短時間・一体で評価。ICD‑11に沿った基準で整える方向です。
(2)区分・名称のばらつきを縮小
「A/B」や「1〜4度」といった表記の揺れを共通化。引っ越しによる区分変動や、窓口で伝わらない名称の違いを解消へ。
(3)手続きの効率化と公平性
自治体をまたいでも同じ説明・同じ判定で進むため、事務の効率化と家族の安心感につながる見込み。
次の更新や転居を考えるとき、「基準が同じ」というだけで準備と心配が半分になります。
3.メリットと注意点(正直ベースで)
メリット
- 転居リスクの軽減(等級が変わりにくい)
- サービス・控除の公平性向上(地域差の是正)
- 窓口手続きがスムーズに(同じ基準・説明で話が早い)
注意点(デメリットの可能性)
- 基準が明確=厳格化の懸念:境界域の方で対象外になるケースが出る可能性が指摘されています。検討中のため動向を注視。
- 移行期の混乱:新旧が並走する時期は、更新や再判定の運用が分かりづらくなる場面も。
対策のコツ:書類と経過を“手元で”整理しておくほど、移行期の相談がスムーズになります。
4.タイムライン(目安)
- 2025年内:統一基準に向けた検討会が稼働し、方針を具体化。
- 2026年度:モデル自治体で試行(ABIT‑CV 等)。結果を検証。
- 2027–2028年度:全国導入の可否や法制化の検討。※時期は前後あり。
いまは“準備期間”。焦らず、でも置いていかれないように。
5.今日からできる「3つの準備」
- 自治体ルールの確認(5分)
区分表記/更新間隔/必要書類を各自治体ページでチェック。例:静岡県の公式情報ではA=重度、B=中軽度など、基準が明記されています。 - 診断書・検査結果・判定通知の“1ファイル化”
次の再判定や更新時、過去のデータがあるだけで安心感が段違い。統一化の移行期も根拠資料として役立ちます。 - 「お金の制度」も同時に棚卸し
障害者控除は手帳区分で「障害者」or「特別障害者」の判定が分かれ、控除額が変わります(重度=特別障害者に該当の目安)。最新の運用は自治体・税務情報で要確認。
ここまでやればOK。あとはニュースが出たときに“上書き”するだけで迷いません。
6.よくある疑問(簡潔Q&A)
Q:いま持っている手帳は使えなくなる?
A:すぐに無効にはなりません。 モデル試行で検証後、段階導入の想定。今持っている手帳は有効で、更新時に順次新基準へ移行するイメージです。
Q:判定で使う検査は全部変わる?
A:ABIT‑CVの試行が予定されていますが、既存のWISC/WAIS等の選択肢が残る見込みと報じられています(導入方法は検討中)。
Q:境界域(軽度)だとどうなる?
A:基準明確化により対象外となる懸念が指摘されています。検討会の資料や自治体発表のアップデートを定期確認しましょう。
7.編集後記
制度のニュースは「むずかしくて遠い話」に見えるけれど、毎日の“安心”に直結します。
わたしたち親にできるのは、いまの基準を知る・書類を整える・情報の変化を追うこと。
それだけで、次の更新も、もしもの転居も“想像していたより大丈夫”になります。
参考リンク
- 厚生労働省「療育手帳制度の実施について(改正後全文PDF)」
- こども家庭庁「療育手帳に係る判定基準統一化の検討進捗(資料)」
- 静岡県公式:療育手帳について(等級と申請手続の解説)