出産当日は眠れない夜を過ごしました。
下半身麻酔の違和感
フットポンプの音と感触
助産師の頻回な巡視
そして
ダウン症なんじゃないかというモヤモヤした気持ちから
眠れませんでした。
初めての搾乳も始まり、助産師から
「初産なのによく出ますね、すごい。」
と言われました。朝には10cc程度取れるようになっていましたが、初めてなので多いと言われてもピンときませんでした。
そして何より
別に出なくてもいいのに
という思いでした。
昼には麻酔がとれ、痛みも殆どなく過ごせていました。
硬膜外麻酔も殆どフラッシュしませんでした。
昼過ぎ、夫が来て助産師とともにNICUの息子に会いに行くことになりました。
早く行きたかった。
それは会いたいというよりかは
自分の目でダウン症かどうか見極めたかったから。
車椅子に乗って、NICUへ行きました。
並んでいた保育器の真ん中あたりに案内されました。
約24時間ぶりの対面。
可愛いって思えるだろうか
これからどうしたらいいんだろう
ダウン症だったら会いたくないな
来たくないな
と思いながら、保育器を覗くと
うつ伏せで、鼻に呼吸器(n-CPAP)をつけ、PIカテーテルから点滴をしていました。
顔、特に目は腫れていました。
グルちゃんを見たとき
目に涙が浮かびました。
それは
悲しいとか
苦しいとか
辛いとか
じゃなくて
元気に産んであげられなくて
ごめんね。
という謝罪の気持ちからでした。
その涙に自分でもビックリしました。
小さい手や足
がんばって息をしている背中を触って
ぬくもりを感じました。
でも、やっぱり消えないモヤモヤ。
鼻骨ある?鼻は低いな
耳は普通かな
目はつり上がってるような、上がってないような
舌は出すときがある
皮膚は何だか柔い気がする
小指の骨はちゃんとある
自分の目で見ても確信が持てませんでしたが
何より、何と無く直感で
ダウン症だと感じていました。
30分の面会はあっという間に終わりました。
帰ろうとした時、新生児科の医師から
「母乳を胃管から注入しようと思います。乳び胸なら胸水が増えるので、母乳はあげられません。心臓は右心系が大きいです。
胸水の原因はハッキリしませんが、一応除外するためにも、今後の治療のためにも
「染色体異常の検査」をしませんか?」
と。
ほら。きた。
やっぱりダウン症だ。
冷静に医師の説明を聞いていたつもりですが、きっと顔はこわばっていたと思います。
部屋に帰り、夫に
「ダウン症かもね。」
というと
「違うんじゃない?だって、そんな顔してないよ。一応する検査でしょ。大丈夫だよ。疲れたでしょ。よく休んで。夕方また赤ちゃんに会いに行こう。」
と。
夫の言葉も信じられませんでした。
携帯で
胎児胸水でダウン症ではなかった人のブログを探してホッとしたり、
逆にダウン症だったという記事をみて凹んだりと
気持ちの浮き沈みは激しかったです。
絶望的な感情
見えない未来
表現できない不安
気持ちはどん底。
自分の人生終わった。
と思う一方で
なぜか
面会予約の時間になると
会いに行かなきゃ。
という思いが不思議と
自然に自分の中に生まれていました。